いいTシャツの見分け方2
設計品質と製造品質
いいTシャツとは、襟や縫い方の他にも、設計どおりに作られているかも重要になってきます。伸び止めテープや二本針で補強してあるとかありませすが、品質には、設計品質と製造品質があります。設計の段階で襟の大きさと襟ぐりのバランスやどのように強度を出すかを決めます。ここまでが設計です。その後、設計者であるデザイナーなどの設計どおりに商品を製造段階で実現する。これが製造品質です。
設計は大体、一流といわれるデザイナーを使い、Tシャツのパターンも大抵決まっているので設計品質の差はそんなに大きく影響はしないと思いますが、製造品質に差があると、かなり悪いものも出回ってしまいます。製造品質が悪いということは設計と違う物が出来上がってしまうということになります。どれだけ一流のデザイナーやパタンナーを使っても設計者の意図とは全然違う商品が売られていると言うことなのです。あなたが家や店舗などを建てるとき、設計書は完璧なのに、いい加減な大工が作り、設計書どおりにできてないとどう思いますか。前の家よりいいということは、万一以下の確率でしょう。そんな家や店舗では、どうしようもありません。
Tシャツの縫い目
Tシャツを買うときは、脇や袖の縫い目にも気をつけましょう。値段が高いから良いTシャツ、安いから悪いTシャツという考え方はもう古いです。2007年の「今年の漢字」は「偽」ですよ。安くてもしっかりしたつくりになっているTシャツもありますので、Tシャツを見分ける力を身に着けましょう。
(以下の写真はMy Factory様からお借りしました。問題があれば直します)
良い縫い目良い縫い目だと左のようになります。普通はこういう縫い目になっているべきです。写真は袖や襟の部分です。同じ縫い目を裏から見た状態です。縫い目の中ほどと下側に赤と緑の糸が点々と見えています。 |
悪い縫い目これは悪い縫い目です。写真では緑の糸が少し浮き上がってしまっています。右側の写真では良い縫い目に比べると、赤と緑の糸がループになっていますね。 |
表から見たときそれぞれを表から見た写真です。左側が良い縫い方で右側が悪い縫い方です。左側の良い方は普通なのに対し、右側の悪い方は、赤と緑の点々は針糸なので、点々が大きく見えるのは、糸が緩いからなのです。表側から見ると糸が見えるほど緩いということになります。 |
これならまだいいほうです。もっと悪い縫い方もあります。それが右の写真です。
どこが悪いか分かりますか。先ほど説明した二本針オーバーロックではなく、一本針オーバーロックの縫い目です。先に説明した縫い目のものより針糸が一本少ないものです。この縫い目で脇を縫ってあるTシャツは、品質よりもコストを優先した商品です。またその下の物は、一本針と同じ縫い目ですが、縫い目が上のものよりも粗いものです。中国製のTシャツなどで極稀に見かけます。このような縫い目の商品は絶対に避けたほうが良いですよ。
Tシャツの脇などを一本針で縫うのは、簡単に言うと、「糸のコストを抑えたい」からです。糸の縫い方が荒いのは、さらに糸のコストを抑え、かつ早く縫いたいからです。ミシンの最高回転数がミシンによって決まっていますので、少しでも早く縫い一日にたくさん作りたいとなると、生地を送っていくスピードをあげるしかありません。しかし、そうなるとどうしても縫い目が粗くなるというわけです。
経営者のみなさん、確かに企業は、利益を得ることを目的としていますが、こういう「ものを作って売る」と言う商売では信用が第一です。信用がなくなると、客が減り、店がつぶれるという典型的なことになりかねません。吉兆のニュースはまだ記憶に新しいでしょう。
そして、消費者のみなさんも、ブランド信奉もあると思いますが、同一ブランドでも同一工場で縫製しているわけではありません。ブランドを盲目的に信用することなく、自分自身の目で良いTシャツを見分けるようにしてください。
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